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知らぬ顔の半兵衛

日本の歴史上の人物では、竹中半兵衛重治が好きだ。竹中半兵衛は、元は美濃国斉藤家の家臣で、その後、羽柴家の軍師となっている。

竹中半兵衛の逸話では、11名の家臣とともに、難攻不落の稲葉山城(岐阜城)を乗っ取り、主君を諌め、そのまま隠居をしたという話である。隠棲中に、羽柴秀吉の調略を受け、羽柴勢に加わる。(本当は、織田信長が直臣とするための調略であったが、竹中半兵衛がこれを断った)

漢楚の攻防における張亮子房、三国志における諸葛亮孔明と並び称される軍師である。

戦国時代の逸話としては、この竹中半兵衛が羽柴勢に加わる美濃の攻略戦、浅井長政が裏切る金ヶ崎の撤退戦、そして、高松城の水攻め後の中国大返しが好きだ。

羽柴秀吉は、何度か大返しをやっている。一度目は、本能寺の変に伴う大返し、二度目は、賤ヶ岳の戦いに伴う大垣の大返しである。徳川家康も関ヶ原の戦いの前に、大返しではないが、会津攻めを行い、反転して、関ヶ原に向かっている。

実は、撤退戦のプロがいる。現代においては、企業のプロジェクトなり事業の撤退を、どのように損害を少なく行うのか、という仕事である。そのためには、ひとつひとつ小さく折りたたんでいくということが重要になる。殿(しんがり)役は、最もリスクの高い仕事であるが、たぶん、最も能力が求められる仕事であろう。本隊が危機的状況を脱するまで、前線に残り、追撃を食い止めつつ、自らも退却するという役目である。逃げながら戦うということが重要である。

島津家が関ヶ原の戦いから退却する際に使った戦法は、捨て奸(すてがまり)というものである。島津家は中央突破で戦場から脱出するわけだが、そのときに、『殿(しんがり)の兵を逃走する道筋に沿って、数人づつ点々と銃を持った狙撃手として伏せさせておき、追ってくる敵軍の指揮官を狙撃する。 狙撃後は槍で敵軍に突撃する。 こうして時間稼ぎをする間に本隊を撤退させる。(wikipedia)』 という戦法を行う。狙撃手は、もちろん生還可能性は、ほぼゼロである。まさに、捨て身である。

三国志の時代に、蜀の第1次北伐の際に、街亭の戦いで、馬謖が敗れ、撤退を余儀なくされたとき、諸葛亮は、空城の計で追撃をしのいでいる。

撤退戦の極意は、いかに相手の追撃を遅らせ、死地から脱するかということである。

中国の大返しは、明智光秀を討伐するために、畿内に戻ったわけだが、これは、退却戦でもある。羽柴秀吉によって、本能寺の変により、自らは死地に追いやられてしまったのである。なぜならば、明智勢が畿内を征圧し、毛利方と組み、羽柴勢に対して挟撃を仕掛ければ羽柴勢は滅ぼされるのである。

そこで、その危機を回避するためには、まだ畿内を征圧しておらず、不安定な明智勢を打ち破り、少なくとも背後から攻められるということを避ける必要がある、という判断である。

一方、大垣の大返しと、会津攻めの反転は、明らかに攻勢戦略である。すなわち、事態が硬直したときに、相手を土俵に上げるため、一度、退くことにより、状況を動かすという戦略である。

大垣の大返しでは、賤ヶ岳の戦いが動き、会津攻めでは、石田三成の挙兵を誘発し、関ヶ原の戦いに導いた。
(ちなみに、石田三成は、大垣での決戦を選べば勝っていたかもしれない。)

戦局を動かすためには、何らかの戦略的な展開が必要になる。三国志でも、諸葛亮のよる北伐において、いつも司馬懿仲達の戦略は「戦わない」ことであった。陣を引き、固く守る、というものである。北伐における蜀魏の戦いは、諸葛亮が司馬懿を動かすために、さまざまな仕掛けをするという、諸葛亮と司馬懿の知恵比べの物語である。

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Comments

知略・・竹中半兵衛か・・・
タシカに凄い武将の一人だと思います。
でもね高松城の水攻めの時に本能寺の変を既に秀吉は予測していたのでは・・・
という説があることを知っていますか?
私は高松城の地元に住んでいますが、跡地を管理している方からいろいろ当時の秀吉の行動が記されている記録を拝見して確信しました。
信長暗殺には奥が深い真実が隠されているようです。
時間がかかるかもしれないが、追求していきます。

Posted by: うつけ者 | September 20, 2008 at 10:12 PM

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