福田総理に配られた3枚のカード:内閣改造の評価
内閣改造と解散は、総理大臣であれば、一度は、行いたい決断である。
小泉総理は、5年半の間に、4度の改造と2度の解散を決断した。安倍総理は、改造はできたが、解散はできなかった。そして、福田総理は、いよいよ首相の専権事項のカードを1枚切った。
今回の改造で、「福田カラー」を示せるかどうか、ということが、マスコミ等々で言われているが、そもそも「カラー」とは何か。言葉としては、「メッセージ」の方が良いのではないか。たとえば、小泉内閣では、「郵政民営化シフト」とか「改革断行」という具体的なメッセージを改造に込めてきた。安倍内閣は、そのメッセージが、あまりにも抽象的過ぎた。
「カラー」というのは、福田総理、または、各大臣個人に感じられれば良いと思う。重要なのは、メッセージだ。
今回の顔ぶれを見ると、財務大臣を伊吹さん、国土交通大臣を谷垣さん、経済財政政策担当大臣を与謝野さんにしたというところがポイントだろう。このポイントから、「財務省主導の税制の抜本的改革シフト」というメッセージが浮かび上がってくるのではないか。
長谷川幸洋著『官僚との死闘七〇〇日』は、要するに、官邸と財務省の主導権争い、権力闘争の700日を描いている。安倍内閣は、財務省と全面戦争を行ったということである。ぼくは、いつも、財務省と喧嘩をするのであれば、自分を担いでくれる省を作ることだ、と指摘している。これは、安倍内閣が誕生した頃から、安倍内閣の姿勢に危機感を覚え、何度も指摘してきたことだ。
この点で、安倍内閣とは逆に、福田改造内閣は、財務省が支える政権となったという評価ができるのではないかと思う。
谷垣さんの国土交通大臣としての仕事は、ズバリ、道路特定財源問題である。なぜ、国土交通大臣が谷垣さん、なのか、ということを、よくよく考えてみる必要がある。
経済産業省には、ふたたび二階さんが戻ってきた。「新成長戦略」を作ったときの大臣である。しかし、この戦略策定の中心人物であった鈴木経済産業政策局長は、すでに特許庁長官だ。もし、改造が1か月早ければ、望月次官ではなく、鈴木次官だったかもしれない。
福田改造内閣が目指そうとする経済財政政策は、経済政策は「成長戦略」、財政政策は「税財政構造改革」というところで、経済成長と財政再建の両立を目指そうというものであろう。
そうして、政府観としては、やや中道的な「温かな政府」路線だろうか。
最近の世論を見ていると、日本人は、「効率的で温かな政府」を志向するのではないかと思う。
福田改造内閣への注文は、「改革の継続」である。社会の持続可能性を守るために、あらゆる改革に挑戦をしていかなければならない。「改革の停滞こそ、日本の停滞となる」である。
目先の利益ではなく、グランドデザインこそ、国民が求めているものなのである。
臨時国会後には、もう一枚のカードである解散権の行使が待っている。
すでに、福田総理の手元には、解散権というカードが配られた。そして、一緒に「政界再編」というジョーカーも。


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