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官僚たちの夏

久しぶりに、城山三郎著『官僚たちの夏』新潮文庫を読む。
なぜ、読もうと思ったかと言うと、今回の経済産業省の人事が、「官僚たちの夏」で描かれている状況と酷似しているからだ。「官僚たちの夏」と酷似ということは、1966年の今井次官就任時と酷似しているということである。

鮎川のセリフが、なかなかうまいものである。

「膳についていてさえもらえば、料理をさしかえることもできます。だが、席を蹴って帰ってしまわれると、もうどうにもなりません」

この小説の山場は、いわゆる「指定産業振興法」に関する政策形成である。しかしながら、見せ場は、鮎川が夕張の炭鉱事故の際に、峠を越えていくところであると思う。(個人的に好きなシーン)

鮎川は、風越にとって、唯一無二の参謀である。実は、風越は、鮎川なくして、風越たりえないのである。だからこそ、鮎川を失うと、急激にモチベーションを落としたかのように、退任を決め、表舞台を降りようとするのである。

産業政策への考え方は、いろいろとあるかもしれないが、「国家のため」に働くということは、どういうことなのか、ということを、胸を熱くさせ、教えてくれる小説で、珠玉のバイブルである。

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