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『官僚国家の崩壊』中川秀直著:小さな政府かあたたかな政府か

中川秀直著『官僚国家の崩壊』を読んだ。先日、与謝野馨著の『堂々たる政治』も読んだ。
マスコミが作り上げた「上げ潮派」と「増税派」という対立イメージで考えれば、両派の主軸がメッセージを出したということになるだろう。

ここで気をつけなければならないのは、この「上げ潮派」対「増税派」という構図だ。これは、マスコミの作り上げた空虚な対立軸である。なぜならば、「上げ潮派」は、財政再建を否定していない。これは、中川氏の著書の中で、「上げ潮派は財政再建に反対しているとの負の印象を国民に与える。実際は、上げ潮派は財政再建と経済成長の両立をめざしているのだが、こちらの真意は伝わりにくくなる(p.46)」と述べている。

また、「増税派」(本来は、このネーミングさえ正しくないと思うが)も、目指すところは、経済成長と財政再建の両立である。つまり、上げ潮派も財政再建派も、過程は違えども、経済成長と財政再建の両立を目指しているのである。違いなり論争の論点は、その過程である。

上げ潮派は、歳出カットと名目3%の経済成長を達成することを先に行うべきと考えており、財政再建派は、社会保障の点で、ある程度の政府の規模(あたたかな政府)を維持するのであれば、その分の歳入増も必要と考えている、というところだろう。

議論は、政府規模を、どのように考えるのか、というところから論争はスタートすべきである。
小さな政府を考えるのか、ある程度の大きさを持つ政府を考えるのか、それによって、必要な歳出が変わってくる。そして、その分の必要となる税収額も変わってくるのである。

つまり、小さな政府か、あたたかな政府か、というところだろう。福田政権の方向性が定まっていない感がするのも、ここに、まだ迷いがあるからではないか。これは、後期高齢者医療制度の在り方、格差問題への対応などにも関わってくる政策選択の問題である。

民主党は、「あたたかな政府」路線ではある。しかし、そのために必要な財源の話はしていない。「あたたかな政府」を実現するためには、そのためにある程度の財源が必要だ。それは、消費税の問題につながる。だから、民主党は、消費税の問題を避けて通ることはできないのである。

政府の規模をどうするのか、という問題は、国民の選択の問題である。小さな政府が良いのか、増税してもあたたかな政府が良いのか、これを、次期衆議院選挙では、しっかりと選択をする、ということが国民に求められる責任である。

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