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論文指導で心掛けること

政策研究者は、社会のお医者さんだと思う。そして、社会問題を解決するために、外科的な治療が必要なのか内科的な治療なのかを判断し、その治療を具体的に実施していくことが求められる。あと、総合政策というのは、ER(救命救急医療)のようなところがあって、専門科に拘らず、とにかく、解決方法をアウトプットしていくということが重要だと思う。

ぼく自身は、お医者さんで言えば、専門は心臓外科というような専門はあるけれど、いまの仕事は、なんとなくER(救命救急)で、心臓外科以外のことにも対応という感じかなと、先週の火曜日あたりに思いました。

教育というのも、やはり専門には特化できないと思う。というのは、学生さんの問題意識、興味・関心はバラバラだからだ。同じゼミの中で、ある学生さんは、行政のことに興味を持っていて、ある学生さんは、経済のことに興味を持っていて、ある学生さんは哲学に興味を持っている。学ぶことのモチベーションを高めるためには、問題意識、興味・関心がかなり重要なので、各学生さんの興味を大切にしたいと思う。

その上で、指導する側としては、学生さんがどのような興味を持って、ゼミの教室で報告をしても、その学生さんを伸ばしてあげられるようなコメントをしてあげたいと思う。そのためには、ぼく自身が、どのような分野でも対応ができるように、自分の専門分野だけではなく、さまざまな分野の知識を幅広く勉強しておくことが重要だと心がけている。

もうひとつ、心がけていることは、コメントについて、やはり、わかりやすく、そして、楽しく聞いてもらえるような工夫である。それゆえに、話の深さと、時々のジョークが必要だと心がけている。

以前に、「缶のフタが開かない」話を書いた。
この話は、おととし、亡くなられたシカゴ大学のフリードマン先生(あれ?ベッカー先生だったかな??)が使っていたジョークで、そのお話を、おととしの経済政策学会の国際会議で、韓国のキム先生(シカゴでベッカー先生のお弟子さん)がスピーチの中で紹介したジョーク。

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 缶のフタが明かないときに、どうするか。

 もし、物理学者ならば、下にぶつかる衝撃で、缶のフタを開けようとする。

 もし、化学者ならば、何かを爆発して、その衝動で、缶のフタを開けようとする。

 そして、経済学者は、「ここにカンキリがあることを仮定して」、缶のフタを開けようとする。

 でも、実際には、カンキリがないので、缶のフタは開けられない。
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政策研究では、缶のフタを開けることが重要になる。すなわち、政策とは、缶のフタを開けることそれ自体であり、いかにして開けるのかという問題の答えを見つけることが政策研究の仕事だと言える。

こんど、何かのスピーチの機会に、このジョークを使ってみよう、と、今日、スピーチを聞きながら考えた。

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