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コミュニティの再生、ソーシャルキャピタル、そして資金の流れ(多摩・三浦丘陵自治体広域連携会議でお話をしました)

東京都庁で開催された多摩・三浦丘陵自治体広域連携会議(事務局・川崎市)にて、お話をさせていただきました。

(お話をした内容の概要)

(企業の社会的責任)
・企業の不祥事や偽装問題は、市場の失敗の事例。特に、情報の非対称性に伴うレモン市場の問題に似ている。こうした市場の失敗への対応は、規制やルール設計だが、規制強化、ルール強化に伴って生じる負の外部性(政策の外部性)は大きい。(例)建築基準法強化に伴い、2007年の民間住宅のGDP寄与度が-12.7%になった)

・そもそも、企業が社会的責任を果たしていれば、(意図的な偽装や不祥事を行わなければ)、規制強化は必要がない。その意味でも、企業が社会的責任を果たすことは重要であるし、それを推奨するような政策的対応が重要になってくる。(資金面では、社会的責任投資の促進など)

(コモンズの再生とソーシャルキャピタル)
・コモンズの再生もしくは創造には、ソーシャルキャピタル(信頼、互酬性)の存在が重要。
・欧米では、文化的背景、宗教的な背景からソーシャルキャピタルが確立し、それを結びつける媒体(たとえば、教会)があり、役割を果たしてきた。(社会的責任投資の起源も、遡れば、教会のファンドが行ったポジティブスクリーニング、ネガティブスクリーニング)。
・日本では、ソーシャルキャピタルのコア(中核)となるものは何か。すなわち、コミィニティの住民にとって、共有の価値、基盤を持つことがコミュニティ再生には、極めて重要となる。
・その点で、連携会議が検討をしている多摩・三浦丘陵もそうしたコアになるうるのではないか。

(コモンズの再生と資金の流れ)
・資金の流れについては、コミュニティ内における資金循環システムを作り上げることが重要となる。
・地域財投の設計、ローカルファンドの設計、寄附税制の拡充が課題となる。コミュニティ内資金循環システムは、「地域(コミュニティ)で集めたお金は、地域(コミュニティ)で使う」ことが基本原則。
・そのためにも、地方分権の推進が重要。

***********レジュメ******************
・「企業の社会的責任」の高まり
(1)グローバル化への対応
(2)社会環境やステークホルダーの意識変化
(3)コーポレート・ガバナンスへの関心の高まり
⇒メセナ活動、1パーセント運動など、利益の社会還元活動。
⇒企業の不祥事に対するリスクマネジメント。(法令順守など)
⇒シェアホルダー 対 ステークホルダー:企業活動と社会との関係
⇒公害問題、不買運動などの圧力
⇒国際的な議論の高まり(ISOなど)

・社会的責任投資
社会的責任投資とは:投資家の金銭的目的以外の基準も考慮に入れて投資を行うこと。
社会的責任投資は、「お金による投票」。お金によって、社会全体の方向性についての意思決定を行っていく。

・「新たな公共」分野の育成
(1)市場の失敗(独占、外部性、格差、情報の非対称性)、政治の失敗、法や制度の失敗

(2)「新たな公共」分野の開拓:政府の財政制約、成熟化社会への変化に伴い、「新たな公共」を作り出す必要がある。
※今後、小さな政府路線で、行政のスリム化、規制緩和、官業の民間開放が進めば、「新たな公共」の部分は、さらに拡大する可能性がある。
※市場の拡大に伴う労働と資本の供給不足に問題が生じる。ただし、この分野には、ビジネス・チャンスがあると考えられるので、ファースト・チャレンジを促すような制度は必要。(ベンチャー・ファンド、エンゼル税制など)
※規制緩和された市場における企業活動のガバナンスも重要。

(3)ソーシャルキャピタルへの期待とその支援
※ロバート・パットナム:『哲学する民主主義』、『孤独なボーリング』

(4)寄附税制、コミュニティ内資金循環、地域財投
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