[連載小説:Pilot版] Team Policy Dragon: Advocacy 7 : “Star Crossed Lovers” (1)
上田と福沢は、向かい合っていた。福沢は、両手をズボンのポケットに手を突っ込み、上田は、ダブルのスーツの前ボタンが閉じられているあたりで、両手を組んでいた。
「僕の過ちは、君を怪物にしてしまったことのようだね」と、上田は言った。「おかげ様で、あなたのやり方は、いろいろと学ばせていただきましたよ」と福沢は答えた。
「僕はね、君が、謝罪をすれば許そうと思っていたんだよ。もう一度、”Team Japan Creation”を任せようと思っていた。しかし、君は謝罪をしなかった。だから、僕は、君を永久追放処分にしたんだ。自分の犯した罪の重さを認識し、それを自ら購ってもらうためにね。しかし、君は、何もわかっていないようだ。いま、ふたたび、僕の前に、こうして現われて、僕の障害になろうとしている。もう、僕は、君のことを許さないよ」と、上田は言った。
「俺も、あなたには感謝をしている」と、福沢は言うと、「しかし、俺は再び、最高のチームを作る。その邪魔は、誰にもさせない。そして、借りは必ず返す」と続けて行った。上田は、Team Policy Dragonのメンバーを見渡すと、「これが君のチームかね。楽しみにしているよ」と言って、福沢の横を通り過ぎた。そして、麻衣の横を通り過ぎようとしたとき、「僕はね、君のことも覚えているよ。そして、これからも忘れないよ。石川麻衣さん」と言って、通り過ぎた。麻衣は、唾を喉の奥底に、ゆっくりと飲み込んだ。
植村は、「今の人が、上田玄三」と呟いた。吉沢は、「ああ」と答えると、星野は、「確かに、かなり食えないおっさんだな」と言った。
その夜、福沢の自宅のチャイムが鳴った。福沢は、玄関を開けると、麻衣が、涙を溜めながら、震えながら、立っていた。福沢は、「どうしたんだ」と言うと、麻衣は、「私のこと、力強く抱き締めてよ」と言って、福沢の懐に身体を預けた。福沢は、麻衣の身体を受け止め、そして、抱き締めた。「とても怖いのよ。あなたが側にいれくれなければ、私、壊れてしまいそう」と言った。福沢は、「わかるよ。よく、がんばったな。無理をさせて申し訳なかったな」と言った。
麻衣が落ち着くと、福沢は、麻衣をリビングにあるテーブルに着かせた。そして、福沢は、ホットココアを入れて、麻衣の前に差し出した。
「少しは、落ち着いたか」と、福沢が言うと、「俊ちゃん、ありがとう」と麻衣は言った。
「昔、いつも、お前が、お茶を淹れてくれたよな、あのお茶はおいしかったな」
「あの頃に戻りたいわ」と、麻衣は呟いた。
「ねえ、安部が死ぬとは思わなかったわ。私のやり方がまずかったのかしら」と、続けた。すると、福沢は、「麻衣、お前は、何も悪くない。お前を利用しようとした安部が悪いんだ。そして、上田に切り捨てられたぐらいで死を選ぶほど、弱い安部が全て悪いんだ」と、福沢は、言いながら、麻衣の肩を抱いた。麻衣は、頭を福沢の肩に預けながら、「俊ちゃん、今日は、優しいのね」と言った。
「安部のことだけではないわ。今日、上田に会ったでしょう。上田に、最後に言われた一言が耳から離れないのよ」と続けて言った。
福沢は、「お前を巻き込んで申し訳ないと思っているよ。俺は、俺がどんなになろうとも、お前のことだけは守る。だから、いまは、安心して、俺に寄り掛かっていろ」と言った。
「ありがとうね」と麻衣は言って、福沢の肩に麻衣は頭を預けたのであった。そして、麻衣は、福沢の温もりを、もっと求めるように、福沢の手を両手で包んだ。
<登場人物>



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