[連載小説]いつか君にふたたび出逢うときまでに:辿りつく先(1)
美友里が、僕の前から立ち去って、1か月が過ぎようとしていた。その間、メールも電話も、僕は美友里にしなかったし、美友里からも、何の連絡もなかった。美友里は、「待っているから、ゆっくりと考えなさい」と言った。美友里との関係を続けたいかどうかという質問に対する僕の答えは明白で、イエスであった。それは、あの日も、そして、今でも変わっていない。しかし、僕は、あのとき、自信を持って、「イエス」とは言えなかった。それは、どうしても、山川さんのことが頭から離れなかったからだ。
こんなとき、山川さんであれば、僕に、どのように言うだろうか。また、結衣であれば、どのように言うだろうか。山川さんや結衣のことを思い出すと、僕は、過剰なほど愛情を求め、相手の女性を傷つけていた。中学生のとき、僕は、山川さんに、それを求めた。しかし、僕の視点から、山川さんと男子学生の行為を目撃して、(山川さんは、僕が理解したような行為はしていないと否定したけれど)、僕は、山川さんには、僕への愛がないことを自分勝手に理解したのであった。
高校生のとき、結衣は、彼女なりに、それを努力してくれた。しかし、僕は、結果として、さらなる愛情を結衣の姉の弥生さんに求めた。そして、僕は、弥生さんを3度だけ、抱いたのであった。
僕が結衣に対して犯した罪は、結衣の姉と3度だけ寝たという事実以上に、彼女が、彼女なりに努力して行った愛情表現を、僕が理解しようとしなかったということであることに気が付いた。すべて、僕は他者に依存し、甘えていただけであった。そして、多くの人を傷つけてきたのであったことに、ようやく気が付いたのであった。



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