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[連載小説]いつか君にふたたび出逢うときまでに:「愛する」ということの意義について(9)

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「うん。今なら、ちゃんと言えるけど、僕は、山川さんのこと好きだった」と、僕は言った。すると、「「好きだった」って、過去形なの?」と山川さんは、続けて、いじわるそうに言った。僕は、山川さんの意図を理解することができず、ただ黙っていた。山川さんは続けて、「今は、私のこと、好きではないのかしら」と言った。僕は、少し頭が混乱した。なぜ、山川さんは、僕にこのような問いかけをするのだろうか。

昔から、山川さんのことを理解することは難しかったことは確かだ。僕のことを「かわいい」と言って、からかったりして、いじわるをした。そして、僕が、そうした山川さんの行為を誤解して、僕の気持ちのベクトルを山川さんに向けると、山川さんは、プイと、その気持ちをかわして、別の方向を見ていた。僕は、いつも山川さんとすれ違うことしかできなかった。

「私は、ハジメくんのこと、ずっと好きよ」と言った。僕は、その言葉に対する答えを用意することはできなかった。

「中学生の頃、私はハジメくんに会って、その時から、ずっと好きだったのよ。その気持ちは、ずっと変わっていないのよ」と言った。

山川さんは、僕のことを、中学生の頃のように、からかっているだけなのだろうか。山川さんの言葉を本気にして、僕が山川さんに好意を見せたら、その瞬間に、山川さんは、いつものように、プイと、違う方向を向いてしまうのではないだろうか、と思った。

「ねえ、ハジメくん。私のこと、抱ける?」と、山川さんは、優しく、せつなく、そして甘く囁いた。僕の胸は、高ぶりを覚えるとともに、緊張感で一杯になった。

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