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研究報告:2000年代の景気拡張の要因と日本経済のリスク

本日、中央大学経済研究所経済政策研究会の研究会で、「2000年代の景気拡張の要因と日本経済のリスク」というテーマにて研究報告の機会を頂戴し、報告いたしました。

研究のmotivationは、下記の2点です。
・デフレ下において、大幅な財政支出を伴わない今回の景気拡張の特性とその要因は、どのようなものなのか。
・景気拡張の持続性を考慮した場合、日本経済のリスクは、どのような点にあるのか。

今回の研究では、次のような分析を行いました。
・GDPへの寄与度を比較し、今回の景気拡張の特性を分析。
・日本銀行『短観』のD.I.データに基づき、企業のミクロ要因が、景気動向にいかなる影響を与えたのか、について分析。
・近年の信用乗数(マネーサプライとマネタリーベースの関係)について分析。

結論は、次のようになりました。
・今回の景気拡張の特性
 (1)安定・低成長型。
 (2)企業設備と財貨・サービスの輸出が安定的にGDPに寄与。
 (3)最終消費支出が不安定的であり、伸び悩んでいる。
 (4)大企業中心に業況は上昇しているが、中小企業の業況は、未だ悪い。
 つまり、景気拡張の恩恵が、日本経済の全体に行き渡っていないということが言える。これは、市中における相場観や実感とも大いに通ずる。

・今回の景気拡張の要因
 企業のミクロレベルにおける分析で捉えれば、主に、過剰な雇用人員の整理と企業の資金繰りの改善である。

・日本経済のリスク
 1.最終消費支出の動向
 2.中小企業の業況の動向
 3.格差問題の政治化に伴い、
  (1)過剰な雇用人員の発生(適切ではない雇用者報酬の上昇)
  (2)地域間格差是正のためのバラマキ型の財政措置の増加。
 現在の日本経済の可能性とリスクは、同じ要因に複雑に重なり合っている。
 重要となるのは、可能性をリスクに転換させないように適切な政策を実施することである。

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