« 論争ウォッチング | Main | [連載小説]いつか君にふたたび出逢うときまでに:遠い過去の記憶(44) »

[連載小説]いつか君にふたたび出逢うときまでに:遠い過去の記憶(43)

3_2
※本作品は、フィクションで、登場人物、団体、背景は架空のものです。もちろん、主人公の「僕」は、著者と同一人物ではなく、フィクションです。

 僕の手は震えながら、結衣の肩を抱いていた。僕は、少しずつ、結衣の口唇に近づいて行った。結衣は、瞳を閉じて、僕を迎え入れるようにした。僕も瞳を閉じて、静かに、そして慎重に、ゆっくりと、結衣の口唇の上に、僕の口唇を重ねようとした。すると、結衣の鼻に、僕の鼻がぶつかり、なかなか、うまくお互いの口唇を重ねることができなかった。僕と結衣は、一度離れて、お互いに、目を合わせて、そして、お互いに、「くすっ」と笑った。結衣は、

 「初めてなんだから、もっとうまくしてよ」と言った。僕は、「僕も初めてだから、うまくするのは難しいよ」と答えた。結衣は、「しょうがないわね」と、小声で、優しく、囁き、僕の首に、彼女の腕をかけて、僕の口唇と彼女の口唇をクロスするように、下から重ねた。僕は、初めて、結衣の柔らかな口唇を感じ、僕の口唇は当然ながら、全身が、そして、心そのものがとろけていくような感覚となった。

 結衣は、口唇を少し放して、僕の目を見つめて、僕の耳元で、優しく「ハジメくん、愛してる」とささやいた。僕も「僕もだよ。僕も結衣のことを愛している」と言った。そして、僕は、結衣の胸を優しく撫でようと手を伸ばした。

|

« 論争ウォッチング | Main | [連載小説]いつか君にふたたび出逢うときまでに:遠い過去の記憶(44) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/27563/17046374

Listed below are links to weblogs that reference [連載小説]いつか君にふたたび出逢うときまでに:遠い過去の記憶(43):

« 論争ウォッチング | Main | [連載小説]いつか君にふたたび出逢うときまでに:遠い過去の記憶(44) »