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抜本的な税制改革に向けた基本的考え方[政府税調平成19年答申]

さて、本日の政府税調の総会で、来年度税制改正に向けて答申が行われた。
答申のタイトルは、「抜本的な税制改革に向けた基本的考え方」と名付けられ、次期中期答申(平成21年秋に予定)に向けた第一段階の答申となった。

その内容は、これまで、このブログにおいても求めてきた内容も反映され、人口減少・少子高齢社会における新たな税制のあり方に向けた内容となり、ファーストステップとしては、大変、価値のある答申になったと思われる。
また、昨日の財政制度等審議会の「平成20年度予算の編成等に関する建議」では、格差問題などを起因とする歳出増加圧力への牽制も含まれ、歳出面からの財政規律の維持と財政健全化を求めている。

この2つの答申と建議から読み取れるものは、歳出増加の圧力を回避しつつ、歳出面での財政構造改革・財政再建を行っていくと共に、税制面では、人口減少・少子高齢社会に対応した抜本的な税制改革を進めていくという意欲である。

抜本的な税制改革に向けた基本的考え方
のポイントをまとめると、次の通り。

・活力か中立性か
「経済活動に極力歪みをもたらさず、それぞれの経済主体が潜在的な能力を最大限発揮できるよう、経済活動への中立性を重視しながら、引き続き税制改革が行われるべき」

→2003年以降、中立原則か活力原則かということで議論が行われてきた。本来、中立性を高めることで活力が生まれるので、トレードオフの関係ではないのである。その原点に戻ってきたと言える。

・法人税
「法人課税の税率の引下げ、課税ベースの拡大を含めて対応する必要がある」

→これは、税制改革の成功パターンとして評価が高い第2期レーガン政権の税制改革の考え方。政策税制でループホールを作るよりも効率性の観点からも良い。この点は、かねてより求めてきた

・所得税の機能
「社会保障制度とともに所得再分配を担う存在として、所得税の役割を適切に発揮させていくことは重要な課題である」

→この点は、これまで、私が求めてきた点に一致。

・消費税
「消費税は、これらの要請に応え得るほか、財貨・サービスの消費に幅広く等しく負担を求める性格から、勤労世代など特定の者への負担が集中せず、その簡素な仕組みともあいまって貯蓄や投資を含む経済活動に与える歪みが小さいという特徴を有する。」
「少子高齢化に伴って経済社会の活力の減退が懸念される状況にあっては、これらの特徴も重要な要素であり、このような様々な特徴を併せ有する消費税は、税制における社会保障財源の中核を担うにふさわしいと考えられる。」

→なぜ、消費税中心主義が重要なのかというのは、世代間中立性の問題から答えが導くことができます。
財政再建をするため消費税増税が重要なのではなく、社会構造が変化した現代社会において、その社会構造に見合う税制を「公平・中立・簡素」の租税3原則に基づいて設計していく必要があります。

・ふるさと納税
「納税者が「ふるさと」と考える地方公共団体に対する貢献や応援が可能となる税制上の方策を実現することが求められており、寄附金税制を活用した仕組みについて検討することが必要である。」

→これも以前に、私も求めた通りの内容です。

・相続税強化
「具体的には、相続税においては、世代を超えた格差の固定化を防ぐとともに、死亡者が生涯にわたり社会から受けた給付に対する負担を清算するという考え方もとり入れ、資産再分配機能の回復を図っていくことが適当である。個人所得課税においても、その所得再分配機能のあり方について検討すべきであり、また、資産性所得への課税についても、こうした観点から見直しを行うべきである。」

→これについても、私も求めてきた通りの内容です。

いよいよ、抜本的な税制改革のスタートです。

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