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財政再建・税制改革は、われわれの選択

22日に「安心できる社会保障・税制改革に関する政府・与党協議会」の初会合が開催された。
私は、政府・与党による「財政再建・構造改革会議」の設置を求めているので、それに向けて、一歩前進というところである。

次へのステップとしては、参議院の第1党である民主党にも協議の場に参加を促すということである。
それが、民主党の参議院で第1党となった責任でもある。批判だけではなく、建設的な協議を求めたい。
民主党の役割は、政府・与党との対決ではない。参議院の第1党として、チェック機能を果たすということが重要である。政争ではなく、政府・与党の提出する法案が、本当に国民のためになるのかどうかを、しっかりと参議院でチェックすることが国民が民主党に課した使命である。

そして、第3段階目として、協議会についての法的な根拠を示し、コミットメントの保証をするために、「財政再建・構造改革法(仮)」(財革新法)を、次期通常国会で提出することである。

「財政再建・構造改革法(仮)」(財革新法)は、2011年までの基礎的財政収支の黒字化を目標とした2008年から2012年までの5年間の時限立法とし、追加的な歳出の増加に対しては、他の歳出削減を求めるpay as you go原則を条件化する。昨日の日本経済新聞の編集委員コラムでは、pay as you go原則に関して、歳出削減もしくは増税によって新しい財源を見つける原則というような解説がなされているが、本来のpay as you go原則の趣旨からは考えると違和感のある説明である。本源的には、pay as you go原則とは、歳出削減をもって新しい歳出に対する財源とする原則であるべきである。pay as you go原則は、基本的には、歳出増加を抑制するための原則であるべきだからだ。そこに、増税も選択肢とするならば、その本源的な原則の価値を歪めることになろう。例えば、所得税や消費税増税など、国民にとって不人気となる税目については増税は難しいが、たばこ税などについては、比較的に簡単に増税する可能性がある。

すなわち、政治的に考えれば、pay as you go原則を入れたとしても、増税での対応を可能にすれば、追加的な歳出増加に対しては、たばこ税増税などで対応される可能性が高い。
もう一点は、現在、凍結されている「財政構造改革法」の最大の反省点となった景気弾力条項の問題である。新法では、この弾力条項を加える必要がある。

抜本的な税制改革は、2009年秋の政府税調中期答申でまとめられる可能性が高い。この答申を受けて、法案化
することを考えれば、早くても2010年の通常国会で税制改革法案が審議されることとなり、2011年の4月から新しい税制のスタートというスケジュールとなろう。この点を考えれば、抜本的税制改革は、財政健全化を2011年度に達成するという目標後のわが国財政の姿やわが国の社会の在り方をはっきりとイメージしながらの議論を行わなければならない。さらに、このタイムスケジュールから考えれば、2011年度の財政健全化の達成には、増税のオプションの幅は狭く、歳出削減を中心に行う必要性も求められる。そのためには、20兆円程度の歳出削減が必要となる。しかしながら、すでに決められている年金の国庫負担の増加を含め医療費などの社会保障関係費の歳出増加は避けられず、歳出増加の圧力も、選挙が近づけば近づくほど、政治問題化した格差問題の影響で増加するだろう。

すでに、「増税は嫌だ」、「でも」、「歳出削減も嫌だ」とは言えない状況である。
わが国の経済社会の持続可能性、社会保障の持続可能性を重要な政策的な価値と認識をするならば、まずは、
「歳出削減」か「増税」かという大人の選択をしなければならない。その選択には、今後の日本のあるべき姿をしっかりと考えておく必要もある。それは、米国型の自己責任型の社会の方向性を目指すのか、欧州型のある程度、セーフティーネットを持った社会の方向性を目指すのか、はたまた、全く別の道を目指すのか。
世界は、人口減少を迎えた日本の選択、日本国民の選択を注目をしている。
「歳出削減」か「増税」かは、誰でもない、われわれの選択である。

補足:個人的には、人口減少・高齢化社会にあっては、世代間の税負担の中立性を担保できるような消費税中心主義への抜本的税制改革が必要であると考えている。

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