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[連載小説]いつか君にふたたび出逢うときまでに:遠い過去の記憶(9)

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※本作品は、フィクションで、登場人物、団体、背景は架空のものです。もちろん、主人公の「僕」は、著者と同一人物ではなく、フィクションです。

 季節が秋から冬になる頃、僕は、どうしてもこの想いを竹内さんに伝えたいと思った。しかし、口頭で告白をする勇気を持つことが、どうしてもできなかった。好きな人の前では、どうしても緊張してしまう。これは、実は今でもそうである。特に、大勢がいる中では、恋愛感情を持っている人の前で、僕は、まず視線を合わせることができなくなる。恋愛感情が、今にも溢れだしそうになるからである。そのために、目を合わせられなくなるだけではなく、態度も、つい冷たい態度を取ってしまう。それは、恋愛感情が溢れることを抑えるために、そうなってしまうのである。
また、好きな人と話すとき、なぜか論理展開というものが崩れてしまう。時に、僕は、自分で何を言っているのかわからないという状態に陥ることがある。それは、言葉よりも感情が先に出てしまうからなのであろうか。

 大人になってからも、このように好きな女性には、非常に不器用な態度であるのに、ましてや思春期の頃の僕は、「不器用」という言葉では片づけられないほど変わった行動をしてしまうのであった。

 そのとき、同級生であった今井美佳さんが、突然、僕に、ある提案をした。

 「ラブレターを書いたら渡してあげるよ」

 僕は、驚いて、今井さんに尋ねた。

 「なぜ、君は知っているの」

 「それは見ていればわかるわよ。君の態度を見ていれば、明らかに、ミズキちゃんのことを特別な想いを持って見ているって」


 ミズキちゃんとは、竹内さんの名前のことである。

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