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[連載小説]いつか君にふたたび出逢うときまでに:遠い過去の記憶(25)

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※本作品は、フィクションで、登場人物、団体、背景は架空のものです。もちろん、主人公の「僕」は、著者と同一人物ではなく、フィクションです。

 「ありがとう。ハジメくんの気持ち嬉しいわ。私もハジメくんのこと好きよ」

 言葉にすれば、たった33文字の短い返事だったが、僕にとっては、永遠に感じるほど、長い一言であった。そして、その言葉はゆっくりと、僕の中に侵食し、じわじわという感じで、僕を感動に包んだ。また、その言葉は、何度も、僕の耳の中で響き渡った。

 その後、時間にすれば、一瞬ではあったが、僕には、とてつもなく長く感じる時間が、再び、やってきた。僕は、緊張をして、次の言葉を口にすることができなかった。結衣も、そのまま黙っていた。僕と結衣は、ひとつも言葉を交わすことなく、ただ、見つめあっていた。

 僕の中では、恋愛感情とは全く異なる欲望が高まってきた。恋愛感情は、この欲望に対して、ふたつの効果がある。ひとつは、この欲望を抑制する効果。好きな人を傷つけてはいけない、もっと大切にしたい、その欲望を表面化させることで、嫌われたくないなどのメッセージをもって、欲望を抑制する。もうひとつは、この欲望を、あきらかに、確かに、増長させる効果である。この人が欲しいという情熱的な感情と相まって、この欲望を高まらせる。

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