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白州次郎 占領を背負った男

北康利『白州次郎 占領を背負った男』、2005年、講談社

通商産業省を設立したのは、実は、白州次郎だった、ということがわかります。
白州次郎が、貿易庁長官となった際に、商工省を組み込んだ、大規模な組織改変を、迅速に決行したという話です。

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 「今の日本にとってもっとも重要なことは、輸出産業を振興させて外貨を獲得し、その外貨でさらに資源を購入して経済成長にはずみをつけることだ。ところがこれまでの商工省の施策は国内産業の育成が中心だった。これからは、貿易行政があって産業行政があるというふうに百八十度考え方を変えていかなければ日本という国は立ち行かない。だから・・・」
 
 そこで息をちょっと継ぐと、

 「占領下で動きの取れない外務省も、軍需省の尻尾をひきずる商工省も、ともに潰して新しく貿易省を作る!」
そう一気に言ってのけた。永山は全身に鳥肌がたった。純粋に国の将来を思う情熱、先例や常識をかなぐり棄てた構想の合理性、先進性、それは新鮮な驚きであった。
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 国家を思う情熱、未来への想い、こうした信念を持つ、そして、野武士的な国家官僚が、現代の官僚組織にも、多くいます。こうした人たちが、政策の中枢で働けるような環境を作ることこそが政治の役目であると考えています。

 時代や環境が変われば、具体的な政策手法や考え方が変わるのは当然です。より、イノベーティブでなければならないと思います。ただ、国家官僚としての「魂」や「理念」は、白州次郎が込めたのスピリッツをいつもでも大切にしていかなければならないと思います。

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