税制の立て直しを先送りするな
景気拡大のいざなぎ景気超えがいよいよ現実味を帯びてきた。
先週の金曜日は、全日空ホテルでランチをしたとき、ランチを一緒した女性からその景気拡大についてのコメントを求められた。ぼくは、今回の景気拡大は、これまでの急成長ではなくて、ゆっくりとした拡大なので、民間の、特に家計部門への景気拡大の恩恵を受けるのは、時間がかかるだろうし、はっきりと認識できるものではないだろう、と言った。
この景気拡大局面において、行わなければいけないのは、税制面での構造調整だ。つまり、景気縮小期において、景気を下支えする財政出動、減税などのフィスカルポリシーによって、財政赤字も税制も、かなりボロボロになっている。もちろん、財政健全化、財政再建は、歳出削減を先行させることが必要不可欠だ。
それと同時に、増税・減税というプラス・マイナスの議論に囚われない、税制の立て直しが重要になってくる。
確かに、景気拡大期なので、税収も自然増収局面にある。しかしながら、自然増収があるということは、自然減収もある。景気は循環するものなので、景気縮小期には減収局面がやってくる。
重要なのは、21世紀型社会への変化、特に少子化、高齢化の社会構造変化の中で、つまり、社会保障費が年に1兆円程度増加していくという中で、どのように安定的な税制を作っていくのか、ということが重要になってくる。
民間エコノミストの景気予測においても、最大で景気拡大は2009年までだ。経済財政諮問会議では、財政健全化の目安として、プライマリーバランス面(フロー面)の健全化を2011年度、ストック面の健全化を2010年代半ばまでに行うことにしている。つまり、この目安の時期には、日本経済は、景気縮小期に入っている可能性が高い。
税制の立て直しを先送りするツケは、この減収局面になって現れる。このときに、そのツケがさらに大きなツケとならないように、経済活性化という点も、もちろん考慮に入れて、政府税制調査会には、税制の再建もしっかりと議論して欲しい。



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