イエメン戦
サヌアでのイエメン戦。前半は、眠くなってしまいました。そして、後半ラスト10分ぐらいからの大熊コーチの指示が、やはり印象的でした。そして、オシム監督もかなり大きな声を出していました。(オシム監督が後半の得点チャンスにペットボトルを投げつけたらしいです)
今日の試合は、守備も比較的安定し、中盤もなんとか組み立てられていた。もちろん、イエメンが引き気味にカウンター狙いであったということはあっても、サウジアラビア戦に比べて、安定していたと思う。ただ、ピッチのコンディションは悪く、なかなかボールコントロールに苦労していたように見えた。ピッチがでこぼこなのか、芝が悪いのか、ボールはうまく転がらないし、勢いを殺されてしまう場面もあった。これは、パスサッカーには致命的だ。しかし、試合を見ていればわかるが、高さでは勝っていた。つまり、やれることはあるということだ。
今回、阿部がかなりのリーダーシップを発揮し、コーチングもできていたように思える。相手が、1トップ気味で、カウンター狙いなのがわかると、すぐに3バックに修正し、阿部がボランチから左バックに入る。闘莉王を中央に、坪井を右に置く。それにより、左サイドバックに入っていた三都主と右サイドバックの加地も前に上げられた。この対応は、良かった。その後は、阿部が攻撃の基点、攻守のスイッチとなり、ゲームメイクができた。
しかし、ゴール前のアイディアがなかった。羽生が左の攻撃的MFに入っていて、スペースを広めに使えるようになっていたが、中盤のランニング不足で、スペースはできるけれども、誰もいない、という場面が多かった。また、スルーパスも、グランドにボールの勢いを殺された場面があった。そして、数的有利をなかなか作り出せなかった。田中達也は、ゴール前で面白いパフォーマンスを見せたが、巻とのコンビネーションはうまくいかなかった。
そのために、決定機を生み出せず、前半は、イエメンの思惑通り、ゲームを殺されたのであった。後半は、さらに足が止まり始め、佐藤を入れたが、中盤はなかなか動かなかった。ひとつは、三都主が後半に入ると機能せず、「次」の動作ができなくなってきていた。重要なのは、ボールを受けて、ボールを出した「次」の動作だ。つまり、パス&ゴーの場面でゴーができなくなっていた。また、闘莉王も疲れが見え始めて、ミスが増えていた。
ぼくは、三都主と闘莉王の交代を考えた。ピッチのコンディショニングも悪いので、ある程度、パスサッカーからスピードのあるドリブルで仕掛けていくことを考えて、三都主を長谷部に交代、阿部をの中央に寄せ、坪井との2バックで、梅崎を投入という作戦だ。もしくは、3バックのままでいけば、坪井を左にして、右に田中隼磨という選択肢もあるかもしれない。
オシム監督の判断は、パワープレーで一点をもぎ取るというものだった。これは、オーストラリア戦でヒディンクが日本を相手に負けていたときに、この選択をしたし、サウジアラビア戦でもオシムはこの決断をした。確かに、ピッチの状態が悪いし、高さでは勝っていたので、巻をポストにして、闘莉王を前に出して、FWを一枚増やし、我那覇という選択肢は理論上では正解だ。しかも、三都主が機能していなかったことの穴埋めに、佐藤を左ウイングにして、右サイドは加地、左サイドは佐藤を置き、クロスを入れて合わせていくということだ。ここでポイントになるのは、遠藤で、遠藤が相手の守備を見極めながら、どこからクロスを入れさせるのかを的確に判断し、右か左にボールを出さなければいけない。そのために、遠藤を動かさず、闘莉王を前、佐藤を左に置く大熊コーチのコーチングとなる。
結果として、これが後半ロスタイムでの我那覇の決勝点になるいうわけだ。リスクは高いが、このリスクを冒さなければ、今日の勝利はなかっただろう。また、サウジアラビア戦でリスクを冒せなかった敗戦の教訓が早速、生きた。
今日の教訓は、「考えて走る」ということは、臨機応変に走るということだ。教えられた通りやっていては、通用しないことがある。今日は、ピッチのコンディションが悪く、練習してきたことはじゅうぶんに生かせない。このときに、選手が考え、違う攻め方をしなければならない。ひとつはドリブルで仕掛けていくということだろう。ゴール前で仕掛ければ、うまく行けば、PKを拾えるかもしれない。
世界で戦うためには、柔軟さも必要だ。
時には、自分たちの型を捨てるというリスクも重要なのだ。(レバノンでのアジアカップ2000決勝のときのように、フラット3を捨てて守るとか、過去にそういうことはできている)



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