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オシムのサッカーの解剖

 それにしても、オシム先生の練習は、とても合理的だ。

 まず、13日の練習時間は、19時20分から90分間。

 これは、16日のイエメン戦が19時20分からであり、試合時間と同じ環境・状況で練習するというのは、とても合理的。また、練習時間も、ハーフタイム分はないが、90分というのは試合時間そのもの。選手の身体の中に、リズムを取り込ませるという意味で、練習開始時間も練習量も、とても有効的だと思う。

 また、練習も、(1)攻撃4人がDF+GK相手に攻める(スペースを活用しながら、攻撃側の連動した動きを練習)、(2)5対5の練習(マークされているポスト役にパスを通す練習)、(3)攻撃側に4人とフリーマン2人、守備側(GK含む)5人の6対5のミニゲーム(攻守の切り替え、パスの使い方の練習)と、実戦を想定しての意義のある練習だ。

 オシムのサッカーは、「考えて走る」ことだと言われているが、これは、ただ走り回るとか運動量が多いということではない。「走る」ことが前提になって、重要なのは、「考える」ということだ。

 「考える」ということは、何かと言えば、常に、どのように、どこでパスをもらうのかを考えるということ、スペースをどのように作るのかを考えるということ、守備のカヴァーにどのように入るのかを考えるということである。だから、フォーメーションは、トリニダード・トバゴ戦では、4-4-2であったが、実際には、フォーメンションは、試合の状況により、変化していく。それは、監督に指示されるのではなく、自分たちで考えて変化させていくのだ。その練習が上記3つの練習なのだ。

 また、パスを出した瞬間に、次にパスをもらうための動作に入るということが重要になる。オシム・サッカーの基本は、「パス&ゴー」のサッカーだ。さらに、選手は、ワンタッチかツータッチで、しかも速さのあるパスを回していくことで、ゴールを狙うというものなのだ。つまり、「ムービング」がキーになるのである。

 オシムの言う日本化されたサッカーとは、「ムービング」を基本としたスピードサッカーなのではないかと思う。それが、2003年から3年半、Jリーグでの指揮を通じて得た結論なのではないかと思う。

 ただ、この「ムービング」だけで、世界のサッカーのレベルに到達するかと言えば、難しいかもしれない。そこで、ひとつは、必要に応じたドリブルの巧さ、そして、空中を使うためのボールコントロールの巧さである。

 ドリブルに固執することは、危険だが、必要に応じてボールをキープすることは重要だ。それにより、相手の反則を誘うことができる。また、ムービングはグランドのみのムービングではなく、上を使うということである。高さを使うのではなく、パスの出し方として、浮かせたパスを出すこともコースとしてあり得ると考えられる。つまり、クロスやアーリークロスなどである。

 ただ、これらは、オプションである土台は、「ムービング」である。

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