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プロは結果が全て

 プロは結果が全て。特に代表は、短期決戦で、その一試合一試合の結果が求められるのです。だから、事後的な「がんばっているよ」「がんばっていた」とかそういうコメントは、プロ的な感覚からすれば、的外れだと思います。また、「悔しい」というのも、ぼくには、あまり理解できない感情。監督や選手が「悔しい」というのは、当然の環境ではあるし、例えば、代表に選出されなかった久保とかが、「あのピッチに立って、自分が何かできなかった。その自分の能力不足に悔しさがある」というようなことを言うのであれば、理解できる。

  「できることをやらない」のと、「できないことをやれない」こととは、大きく違う。

 それが、中田英寿は、よくわかっているから、6分間も、あの場に残っていたのだろう。結果が全てであることの厳しさをあの場で受け止めていたはずなのだ。そして、「できることをやれなかった」本当の「悔しさ」を感じていたのだろう。いま、思えば、オーストラリア戦の最後の10分が、日本のドイツでのワールドカップの全てであった。

 そうした全ての結果と意味を重く受け止め、中田は歩き始めた。その先には、南アフリカ大会があるはずである。

 「悔しさ」とは、当事者がその場で「やり残したこと」、「能力不足・力不足」、「チャンスを活かしきれなかったことへの反省」が核になって生まれる感情であり、当事者ではないぼくたちは、「残念だ」とは思うけれども、「悔しい
という気持ちは、本質的には持ち得ない。

 2010年の南アフリカ大会、アジア予選すらも突破できるかわからない。淡い夢を見ることはよそう。一試合一試合、着実に結果を積み上げていく、ただ、それだけなのだ。これからの4年間、ドイツで学んだことは、日本代表に大きな意味を持つものになって欲しいと思う。選手たちの「悔しさ」は、経験となって、そしてバネになるはずだ。

 ドーハでの経験から、世界への挑戦が始まった。フランスでの経験で世界のレベルを痛感した。2002年に、トルコに負けたとき、ぼくは、この敗戦は、これからの日本のためには貴重な敗戦だと思った。ベスト8になれば、次の4年間、気の緩みが生じて、予選通過すらもできないのではないかと思った。

 これからの4年間、2年後には北京五輪、そしてアジアカップがある。そして、アジア予選があり、2010年に南アフリカ大会だ。この道は決して、平坦ではない。これまでのどの道よりも険しいだろう。それだけ、アジアのレベルは上がってきている。

 今回、ブラジル戦に向けての分析と戦術公開を、ぼくは意図的に避けた。6月9日の記事で、ぼくは、「まずは、サッカーを楽しむことが重要!」と題して、「まずは、サッカーを楽しむこと。とにかく走ること。とにかく打つこと。イチかバチかということなので、どうせなら、総力戦で面白い試合をやることが、日本のサッカーの未来のためでもあると思います」と書きました。これが、この試合の全てであり、現在の日本の全てを、ブラジルにぶつけることが重要だと思った。だから、細かい戦術とかそういうものよりも、まずは全力を出し切ることが必要だと思ったのだ。

 その意味で、玉田の得点は素晴らしかった。あの得点でブラジルは、本気になった。それだけでも意味があると思う。

 今大会、初めて「できることをやれた」瞬間だったと思う。

 1次リーグの3試合の中で、最も日本らしい良い試合ができたと思う。

 今大会の日本のMVPは、川口だ。あの状態の中で、よく、あれだけの敵のチャンスから守ってくれたと思う。そして、中田英寿だ。

 さて、南アフリカ大会。次期監督は、デシャンオシムの名前が挙がっている。

 個人的には、ヴェンゲルフェリペに来て欲しいところである。

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