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デタッチメントを通じたコミットメント

 村上作品において、ふたつの世界が存在している。ひとつは、現実の世界もしくは人間の外なる世界、もうひとつは、人間の内なる世界である。そして、それをつなげる媒介者も登場する。これは、『羊をめぐる冒険』以降、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』、『ねじまき鳥クロニクル』、『海辺のカフカ』では、顕著に、ふたつの世界が示されている。「僕」は、そのふたつの空間を媒介者や媒介物を通じながら、行ったり来たりすることで、コミットメントをしているのである。そのコミットメントとは、内なる世界へのコミットメント、つまり、自己への問いである。または、その行為を通じての社会への問いである。

 村上さんは、「自分の中にどのようなメッセージがあるのかを探し出すために小説を書いているような気がします」と言っている。
 
 「ぼくは/なんのために/存在しているんだ」

(「政策空間」6月号に所収作品)

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