夜空のさき(27)
「実は、家を探しているんです」と僕はおまわりさんに言った。おまわりさんは、「こんな夜中にか」と言うと、「いろいろ込み合った事情があるんですよ」と答えた。僕は、「このあたりで、川本さんのお宅って、どこになりますか」と尋ねた。おまわりさんは、「このあたりに、川本さんという家は聞かないな」と答えた。神山さんは、「この住所なんですけどね」と、住所を書いた紙を見せると、おまわりさんは、「この住所は、平さんの家だな」と言った。神山さんは、「平さん?」と言うと、「ほら、あの本を書いている。あの平さん」と、おまわりさんは答えた。「もしかすると、平嘉夫ですか?」と、僕が尋ねると、「そうだ」と、おまわりさんは答えた。そして、「少し事情を聞きましょうか」と、僕と神山さんは、交番に連行されることになった。


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