夜空のさき(1)
僕は、この手紙を神山さんに読んでもらった。神山さんは、「つまり、さきは、かぐや姫だったわけか」と、慎重に答えた。「もしくは、羽衣伝説の天女」と、僕は言った。
神山さんは、「冗談だと信じたいけど、確かに、さきの存在は、元々、存在していなかったと言えるほど、証明できない」と答えた。僕は、「でも、そんな非科学的なことを信じろと言われても、信じられないですよ」と言った。すると、「でも、前に話してくれた夢の話なんかも非科学的だろう。非科学的なことが現実に起きているんだ。説得性はある」と、神山さんは言った。そして、「この手紙には、帰る準備ができた、と書いてある。ということは、まだ月には帰っていないはずだ。もしかすると、最後のチャンスかもしれない」と言った。


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