僕が僕に出会うさき(23)
僕は、「特に、夜の予定はないけど」と言うと、サキは、「じゃあ、私、行ってみたいお店があるの。青山に。一緒に行かない?」と嬉しそうに聞いた。僕は、「いいよ。そうしよう」と言うと、「じゃあ、定時は17時までだから、また夕方に連絡するわ」と言った。僕は、「僕は、虎ノ門の事務所にいるから、様子がわかったら、メールでもくれればいいよ」と言った。サキは、「行ってきます」と言い、僕は、「行ってらっしゃい」と言った。彼女を仕事に送り出すのは、少し寂しい気持ちがして、嫌なのだけど、送り出す相手がいることがいるのは、とても幸せなことなのだということを、僕は、ようやくわかった。


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