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海のさき(6)

 僕は、サキに「かわいそうな人ね」、「面白い人ね」、「かわいいわね」という3つの言葉を一日の中でもらったのであった。

 「せっかくだから、どこかドライブに連れて行ってよ」とサキは言った。僕は、「30分と言ったのに」と、つぶやくと、彼女は笑いながら、「本当に子どもみたいね。よしよし」と、頭を撫でた。僕はまんざらではなかった。「ごめんね。いろいろと準備もあるのよ。あなたが想像している以上に、いろいろなことをしないといけないの」と、サキが言った。「あなたは、きっと、とても頭が良くて、センスがあって、センシティブなんでしょうね。だから、あらかたのことは、想像が当る。でもね、世の中は、あなたが思っていること、知っていることだけではないの。いろいろあるのよ。それはわかって」と続けて言った。

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