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電話のさき(19)

 「予想通り。少しずつ、惹かれ始めている」と僕が答えると、「やっぱりね」と彼女は意地悪く言った。僕は、「それで、僕は、なんで「かわいそう」なの?」と聞いた。サキは、「自分の歩くスピードがわかっていない。周りが見えていない。そうね。例えて言うなら、井戸の中に落っこちて、暗闇の中で、一生懸命にもがいている状態ね」と言った。「そうかもしれない」と、僕が答えると、「だから、光が必要なの。あなたには、あなたの周りを照らしてくれる光が必要なのよ」と、サキは言った。「光の届かない暗い闇の中でも、もがいて、そして光を掴もうと必死に手を伸ばせば」、僕とサキは、同時に同じ言葉を口にした。

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