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電話のさき(6)

 「ねえ、聞いている?」とナツコさんは言った。僕は、「うん、聞いているよ」と言った。「つまり、もうあなたとは会いたくもないし、話したくもない。もっと言えば、あなたとの接点すら持ちたくないの。でもね、仕事だから仕方がないのよ」とナツコさんは言う。僕は、「わかるよ」と答えた。ナツコさんは、「一応、誤解をされたくないから言っておくけど、あなたに対して何の気持ちもありませんから。それは、これからもずっと変わることはありません。ただ、必要だから、残された契約期間のうちは、仕事はあなたの会社にお願いするわ。それがルールだから」と言った。僕は「かまわない」と言った。ナツコさんは、「ただ、約束して欲しいの。私のカウンターパートはレイコさん。あなたではなくて、レイコさんを通じて、残された期間、仕事をお願いしたいの」と言った。僕は、「それがいい。良い方法だと思う」と答えた。

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