電話のさき(4)
「勘違いはして欲しくないんだけど、つまり、それは、あなたのことを好きだとか、そういうことじゃなくて」と、ナツコさんは続けた。僕は、さらに過去を問い詰められているような気がして、悲しくなった。しかし、「うん、大丈夫だよ」と答えた。
「本当は、あなたと、こうして話すということもしたくないし、コミュニケーションすること自体を、できるだけ避けたいのだけど」とナツコさんは言った。僕は、「うん」と答えた。「もっと言えば、あなたの存在すら考えるだけで、とても嫌な気分になるの」と言った。つまり、僕は完全に否定をされたわけだ。


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