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真夜中のさき(15)

 待ち合わせの改札に着いたとき、僕の姿を神山さんが見つける方が先だった。「こっちだ、こっち」と、人ごみの向こうから、声が聞こえた。「あ、神山さん」

 僕が神山さんに近づいて、「遅くなってすみませんでした」と理不尽な謝罪を述べると、神山さんは、「まあ、よしとしよう」と言った。心の中では、「何が「よしとしようだ」と思いつつも、「いや、すんませんでした」と、もう一度謝った。

 神山さんは、「まずは腹ごなしかな」と言った。「食欲はあるのか?お前は、失恋すると、まず、全てのやる気を失うからな。食欲なんかも、全く無くなるだろう。残るのは、性欲ぐらいか?」と言った。僕は、「性欲も、もちろん無くなりますよ」と言った。神山さんは、華で笑いながら、「嘘付け。性欲は高まるくせに」と言った。僕は、「嘘じゃないですよ」と、学生の頃のように、お互いにからかいあった。

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