今夜、夢の中で君に出会う-再会、そして僕の欠落と忘れ物-(11)
「マチコに用事があるの?」と彼女は聞いた。「はい。この前、頼まれた仕事が出来上がったので届けに来たんです」と答えると、ユキコさんは、少し困った顔をして、「あら、どうしようかしら。マチコは今日、両親と出掛けているのよ。帰ってくるのは、遅い時間になると思うわ」と言った。「それじゃあ、明日、学校で渡すことにします」と、僕は帰ろうとすると、「せっかく、来てくれたんだから、お茶でも飲んでいかない?マチコはいないけど、私も少し誰かとお話をしたい気分なの」と、ユキコさんは僕を呼び止めた。僕は、ユキコさんに背中を向けたまま立ち止まってた。そして、頭の中や心の中が、いろいろなもので溢れかえって、ごちゃまぜになって、何がなんだかわかならなくなっていた。
「もし、何か他に用事とかがあるなら、無理には引き止めないけど」とユキコさんは言った。僕は、恥ずかしがりながら振り向いて、「もし宜しければ、お邪魔させてください」と言った。


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