今夜、夢の中で君に出会う-再会、そして僕の欠落と忘れ物-(7)
「ねえ、あなたも何か部活動とかしなさいよ」と、真知子は僕に言った。「スポーツは苦手なんだよ」と僕が言うと、真知子は、「スポーツじゃなくても、文化系の部活があるじゃない」と言ったので、僕は「あんまり、好きじゃないな」と答えた。すると、「もうどうしようもない人ね、じゃあ、生徒会の活動を手伝いなさい」と言った。僕は生まれて初めて「どうしようもない人」と言われたことに対して、いささかの不満を持つと同時に心が傷ついた。「どうしようもない人だなんて。こんな未来ある少年にどうしようもない人だって、言った!」と、幼児が駄々をこねるように抗議をした。
すると、真知子は、「あなたって子どもみたいね」と、呆れながら笑った。「これから私の家に来てよ。手伝ってもらいたいの」と言うと、僕は少し顔を赤らめて、「女性の家になんて行けないよ」と断った。「何を期待したのか知らないけど、私の家に来たところで、あなたが今想像しているようなエッチなことは、絶対に起きないから安心しなさい」と真知子はほとほと呆れたように言った。
僕は、渋々、真知子の自宅に行った。玄関を入ると、真知子の母親が出てきて、まずは食事でもしなさいと夕食を勧めてくれた。夕食を真知子と一緒に食べた後、リビングで罫線の入ったメモ用紙を広げた。
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