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今夜、夢の中で君に出会う-再会、そして僕の欠落と忘れ物-(16)

 長い時間が経った。長い時間と言っても、きっと、5分とか日常的には短い時間であったに違いない。しかし、僕には、そのとき、その5分でさえも、何時間にも感じたのだった。

 ユキコさんは、僕に覆いかぶさったまま、小さな声で「気持ち良かった?」と聞いてきた。僕は、「言葉にならないぐらい」と答えた。彼女は、「初めての感想は?」と続けて質問するので、僕は「生まれてきて良かった」と答えた。ユキコさんは、くすっと笑い、「嬉しいわ」と言った。そして、ユキコさんは、僕の両方の腕を自分の背中に回して、「少しの間、抱きしめていて」と言った。僕は不器用に彼女を抱きしめた。「こんな感じでいいのかな」と言うと、彼女は「いいわ」と言った。

 僕は、その日は、真知子が帰宅する前に、帰った。僕はもっとユキコさんの温もりを感じていたかったし、ユキコさんもそれを望んでいたのだが、なぜか、真知子に顔を合わせたくなかった。僕はユキコさんに、そのことを言うと、ユキコさんは、「わかるわ」と言った。そして、「また、二人で会いましょう」と言って、ユキコさんはポケベルの番号を教えてくれた。

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