今夜、夢の中で君に出会う-再会、そして僕の欠落と忘れ物-(19)
僕は、「ねえ、残される者の気持ちは考えなかったの?あのとき。例えば、僕の気持ちとか。あなたにとって、僕との関係は恋人とかじゃなくて、ただあなたの気持ちを慰めるものでしかなかったのかもしれないけど、僕はあなたのことを好きだった。でも、僕がもっと辛かったのは、あなたは真知子を心から傷つけたんだ」
ユキコさんは、「手紙のこと?」と聞いた。僕は、「うん」と答えた。
「真知子は、君のこと好きだったのよ」とユキコさんは言った。「真知子は、何でも出来た。勉強もスポーツも。顔もきれいだし、みんなから可愛がられた。望むものは何でも手に入れることができた」
僕は、「ねえ、ユキコさん。僕は、あなたもとっても美しいと思うよ。テレビドラマや映画で主役をしたって不思議じゃない。小西姉妹は美人で器量が良くて、僕たちの街では本当に有名な姉妹だったんだ。僕の友達はみんながユキコさんに憧れ、真知子を好きだった」
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