青い蝋燭(32)
沈黙を破るかのように僕は、「彼氏と別れたの?」と聞いた。丸顔の彼女は、「はい。一週間前に」と答えた。僕は、「地元の人?」と聞く。丸顔の彼女は、「はい。高校時代の同級生で、彼の方が一年早く東京に来ていたの」と答える。僕は「遠距離恋愛?」とさらに聞く。丸顔の彼女は、「私はそのつもりでした。でも、東京にも彼女が出来ていて」と言った。僕は「つまり、二股だったってこと?」と聞く。丸顔の彼女は、「そう。私が東京に出てきて、彼の家にいたら、東京の彼女がいて」と言った。僕は、「それはひどいね」と言った。
丸顔の彼女は、突然泣き始めた。僕は、丸顔の彼女の頭に片方の手をかけて、僕の肩に寄せた。丸顔の彼女は、抵抗することなく、僕の誘導に身を任せた。
丸顔の彼女は、「東京の彼女は、あなたはもう愛されていない、地元に帰ったときの都合のいい性欲の対象だけなのよ、って言って、彼も私に、出て行け、って言ったの」と言う。僕は、「ひどいね」と言った。丸顔の彼女は、「もう私何がなんだかわからなくて。死にたいとも思って。私はどうしたらいいのかわからない」と言った。僕は、「もう忘れた方がいい。人間は、忘れることができるんだ。嫌なことを忘れることができる。そして、新しい恋愛を探すんだよ」と言った。丸顔の彼女は、「忘れさせて」と言った。僕は黙った。丸顔の彼女は、「お願い」と泣きながら言った。僕は、「そんな刹那的にセックスしても悔いが残るし、何も解決しないよ」と言った。丸顔の彼女は、「あなたに抱かれたいの。今日のコンパで最初に会ったときから、あなたに抱かれたいと、強く思ったの」と言った。僕は黙っていた。僕は平静を装いながら、心の中では大きく揺れていた。欲望と理性の間で、気持ちが行ったり来たりした。


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