悲しみのワルツ-日常の中の僕-(18)
「ありがとう。実は、私が転職することを決意させたのは、あなたの言葉でもあるの。前に、あなたと一緒に仕事をしたとき、あなたは、私に「君はもっと自由にいるべきだ。もっと君の理想を追求するべきだ。そして、それを実現するべきなんだ」って、言ってくれた。それが、私にとっては、励みになったの。あなたと青山で食事をしたとき、実は、すでに私はヘッドハンティングの誘いを受けていて迷っていたの。そのとき、あなたが私にそれを言ってくれて、私は決意したの。もっと、自分を試してみようって」と、なつこさんは言った。
「わかるよ。才能を持っている人間というのは、より高いところで、挑戦をするべきなんだ。人間はいつも成長するんだから、現状維持というのは、実は後退なんだ。君は、現状に留まっているべきではない。君は、前進するべきなんだ。」と、僕は答えた。
「応援してくれる?」
「もちろん。」
「一度、お店にお食事に来て。レイコさんと一緒に。お店で一番おいしい料理をご馳走するわ」と言って、お店の住所と電話番号、そして地図が書かれた紙を僕に渡した。
「お客さんとして行くよ。そして、僕は、君が最も自信を持つアレンジを注文する。そのとき、僕と君との勝負なんだ。手加減はしないよ。だから、お客さんとして行く。」
「ありがとう。うれしいわ」
「レイコさんとも会いたいし、また来てもいいかしら」
「いいよ。」
「ありがとう。私の電話番号を置いていくわ。前に教えたのは、前の会社の仕事用の電話だから。時々、あなたの声が聞きたくなるかもしれないから、そのときは電話してもいい?」
「いいよ。君が電話したいときに、いつでも電話をかけてくるといい。」と言って、僕は僕の電話番号を教えた。
「ありがとう」と彼女は言った。
そして、なつこさんは、ペコリと頭を下げて、ドアを出て行った。ドアは丁寧に閉められた。僕は、また、ソファーに埋もれて、本を読み始めた。


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